技術概要
本技術は、共振周波数の異なる複数の伝送線路共振器を用いたマルチ共振器型のチップレス・タグシステムです。具体的には、互いに対向し一定間隔を保つ第1・第2の伝送線路と、これらを接続する第3の伝送線路からなる共振器を複数配置します。これらの共振器は、すべて同一間隔で平行に一直線に並ぶように配置され、これにより符合数の拡大と高精度で安定したタグ情報の読み取りを可能にします。読み取り回路もタグの伝送線路間隔に合わせて設計され、効率的な情報検出を実現します。ICチップを使用しないことで、低コスト化と環境負荷低減を両立する画期的な技術です。
メカニズム
本技術のチップレス・タグは、誘電体基板上に形成された複数の伝送線路共振器から構成されます。各共振器は、互いに対向し一定間隔に配置された第1・第2の伝送線路と、それらの開放端間を接続する第3の伝送線路を備えます。これらの共振器はすべて、第1・第2伝送線路が一直線上に平行に並ぶように配置されることで、特定の共振周波数特性を生み出します。タグ情報読み取り回路は、タグの第1伝送線路の間隔とほぼ等しい間隔で平行に設けられた共振器励振用の伝送線路と、タグ情報検出用の伝送線路を備え、電磁誘導を利用してタグの共振特性を検出し、これをタグ情報として読み取ります。この構造により、外部ノイズに強く、多ビット情報の安定した識別を実現します。
権利範囲
AI評価コメント
本特許はSランクの優良特許として評価されます。残存期間が長く、17項という多数の請求項で技術の本質を強固に保護しています。審査官の厳しい審査を乗り越え、11件の先行技術が存在する激戦区で特許性を勝ち取った強靭な権利です。有力な代理人の関与も権利の安定性を示唆し、長期的な事業展開において盤石な基盤を提供します。
| 比較項目 | 従来技術 | 本技術 |
|---|---|---|
| タグの製造コスト | 従来のICチップ型RFIDタグ: 高コスト | ◎ (ICチップ不要で大幅低減) |
| 情報記録密度 | 一部のチップレス・タグ: 低い | ◎ (マルチ共振器で符合数拡大) |
| 読み取り安定性 | バーコード: 視認性必要、汚損に弱い | ◎ (電磁波利用、構造的安定性) |
| 環境負荷 | 従来のICチップ型RFIDタグ: 廃棄物発生 | ◎ (チップレスで資源消費・廃棄物削減) |
| 導入柔軟性 | ICチップ型RFIDシステム: 専用リーダー必要 | ○ (既存RFシステムへの統合可能性) |
本技術のチップレス・タグは、誘電体基板上に伝送線路を形成する構造のため、従来のICチップ型RFIDタグ(単価約10円)と比較して、製造コストを約1/3(約3.3円)に削減できると試算されます。年間1,000万枚のタグを使用する導入企業の場合、(10円 - 3.3円) × 1,000万枚 = 年間約6,700万円の材料費削減効果が見込まれます。さらに、読み取り精度の向上による誤読・再作業コストの削減、在庫管理の最適化による人件費効率化を合わせると、年間1億円規模の経済効果が期待できます。
審査タイムライン
横軸: タグ情報記録密度
縦軸: コストパフォーマンス