技術概要
本技術は、測定対象物の熱伝導に関する物性値を、簡易かつ高精度に測定する方法とシステムを提供します。従来の定常法では、接触熱抵抗の評価に厚さの異なる複数の試験体が必要でしたが、本技術ではこの課題を解決します。測定対象物の一方の面を加熱し、他方の面を冷却して温度勾配を生じさせ、赤外線サーモグラフィで厚み方向の温度分布情報を非接触で取得。同時に流れる熱量を測定し、これらの情報を用いて熱伝導率と接触熱抵抗を同時に算出することで、個々の試験体の熱物性を正確に評価できます。これにより、熱のシミュレーション精度を向上させ、材料開発や製品設計の効率化に貢献します。
メカニズム
本技術は、従来の定常法測定系に赤外線サーモグラフィを加えることで、試験体の温度勾配を直接測定します。具体的には、測定対象物に対して厚み方向に定常的な熱流を発生させ、一方の面を加熱、他方の面を冷却します。この状態で赤外線サーモグラフィを用いて、非接触で測定対象物表面の温度分布情報を高分解能で取得。同時に、対象物を通過する熱量を測定します。フーリエの法則に基づき、これらの温度分布情報と熱量データを用いることで、単一の試験体から熱伝導率と、従来は別途評価が必要だった接触熱抵抗を同時に高精度で算出します。これにより、材料間の物性値の不確かさを排除し、より正確な熱物性評価を実現します。
権利範囲
AI評価コメント
本特許は、残存期間が14.1年と非常に長く、2040年まで独占的な事業展開が可能です。請求項が8項と適切に構成され、有力な代理人が関与しているため、権利範囲が明確で堅牢な基盤を有します。7件の先行技術文献がある中で特許査定に至ったことは、その技術的優位性と安定性を示すものであり、導入企業にとって極めて高い戦略的価値を持つ優良特許です。
| 比較項目 | 従来技術 | 本技術 |
|---|---|---|
| 測定サンプル数 | 複数個(同材料) | 1個◎ |
| 接触熱抵抗評価 | 間接的/別途計算 | 直接的/同時算出◎ |
| 温度分布取得 | 点測定/接触式 | 面測定/非接触式(サーモグラフィ)◎ |
| 測定精度 | 材料バラつきの影響あり | 材料バラつきの影響なし◎ |
| 応用範囲 | 限定的 | 広範囲(高精度シミュレーション)◎ |
本技術の導入により、従来の複数試験体を用いた測定に比べ、試験体製造費と測定工数を大幅に削減可能です。例えば、年間500回の測定を行う企業で、1回あたり2万円の試験体製造費と測定時間短縮による人件費削減効果を考慮すると、年間1,000万円以上のコスト削減が見込めます。さらに、高精度なデータによる試作回数削減効果も加わり、経済効果はさらに拡大する可能性があります。
審査タイムライン
横軸: 測定効率とコストパフォーマンス
縦軸: 測定精度と応用性