技術概要
本技術は、1枚の2次元X線画像から血管内治療器具(ワイヤ)の3次元形状を推定する画期的な画像処理技術です。線源からの放射線で生成される管体(血管)の2次元画像と3次元画像、そして移動体(ワイヤ)を含む2次元画像を基に、ワイヤの各部分の位置を特定します。その後、線源とワイヤの各部分を結ぶ投影直線と、3次元画像内の管体通過部分を利用してワイヤの仮想形状を生成し、最終的に管体内のワイヤの正確な3次元形状を推定します。これにより、従来の複数枚画像による再構成や連続透視に比べて、被曝量と造影剤使用量を大幅に削減しつつ、リアルタイムに近い高精度な3D情報提供を実現します。
メカニズム
本技術の中核は、記憶部が保持する管体の2次元/3次元画像と、取得部が取得する管体と移動体(ワイヤ)の2次元画像を組み合わせる点にあります。位置特定部が処理画像から移動体の位置を特定し、移動体部分特定部がその移動体を複数の部分に分割します。次に、投影直線特定部が線源と各移動体部分を結ぶ投影直線を生成し、通過部分特定部が3次元画像内の管体と投影直線の交差部分を特定します。仮想形状生成部は、これらの管体通過部分から選択位置を選び、隣接する選択位置を連結して仮想形状を生成。最終的に形状推定部が、この仮想形状に基づいて管体内の移動体の高精度な3次元形状を推定します。
権利範囲
AI評価コメント
本特許は、残存期間14.1年と長く、出願人・代理人・請求項数・拒絶回数・先行技術文献数のいずれにおいても減点項目がなく、合計減点0点という極めて優れたSランク評価を獲得しています。先行技術文献9件という状況下で拒絶なく特許査定に至った事実は、その技術的優位性と権利の安定性を強力に裏付けており、導入企業にとって長期的な事業展開を支える非常に強固な知財基盤となるでしょう。
| 比較項目 | 従来技術 | 本技術 |
|---|---|---|
| 3D形状推定に必要な画像枚数 | 複数枚(連続透視、CT/MRI) | 1枚◎ |
| 放射線被曝量 | 多い | 大幅削減◎ |
| 造影剤使用量 | 多い | 大幅削減◎ |
| リアルタイム性 | 限定的(遅延あり) | 高精度・リアルタイム○ |
| 熟練医への依存度 | 高い | 低い◎ |
血管内治療における平均的な造影剤費用(約5万円/回)と透視時間短縮による手術室稼働率向上(約20%向上)を想定し、年間3,000件の治療を実施する病院の場合、造影剤費用削減(5万円 × 3,000件 × 70%削減 = 1.05億円)と、手術時間短縮による収益向上(年間収益5億円 × 10%向上 = 0.5億円)を合算し、年間約1.5億円の経済効果が見込まれます。この計算には、被曝量低減による医療従事者の健康リスク低減効果は含まれていません。
審査タイムライン
横軸: リアルタイム3D可視化精度
縦軸: 医療現場への導入容易性