技術概要
本技術は、従来の平行グリッパ式把持装置が抱えていた「指部の高さ」と「把持力」の課題を解決するものです。主フレームと対称的に移動する第1、第2の指部を備え、各指部は異なる把持面幅を持つ2つの指ラックと、これらを逆方向に移動させる能動・受動ピニオンの協働機構を特徴とします。この独自のメカニズムにより、指部全体の高さを大幅に低減しながら、把持時に支点に生じるモーメントを抑制し、把持力の増大と安定化を実現します。これにより、導入企業はより省スペースで高精度な自動化システムを構築できる可能性を秘めています。
メカニズム
本装置は、主フレーム内で対称的に動く第1、第2の指部から構成されます。各指部には、異なる把持面幅を持つ第1の指ラックと第2の指ラックが平行に配置されています。これらの指ラックの間には、モータ駆動の能動ピニオンと、指ラックの走行によって回転する受動ピニオンが噛み合うように設けられています。能動ピニオンと受動ピニオンが協働することで、第1の指ラックと第2の指ラックが互いに逆方向に移動するよう制御されます。この逆方向移動機構が、指部の高さを最小化しつつ、把持対象への圧力を分散させ、支点にかかるモーメントを減少させることで、最遠方の把持面においても強力かつ安定した把持力を発揮します。
権利範囲
AI評価コメント
本特許は、合計減点0点のSランクという極めて高い評価を得ています。2040年8月25日までの長期にわたる残存期間は、導入企業が安定した事業計画を構築できる強力な基盤となります。請求項も8項と多角的に権利範囲が設定されており、審査官の厳しい指摘を乗り越えて登録された事実は、その技術的優位性と権利の堅牢性を強く示唆しています。知財戦略上、極めて価値の高いポートフォリオの中核を担う技術と言えるでしょう。
| 比較項目 | 従来技術 | 本技術 |
|---|---|---|
| 指部高さ | 高い(省スペース性に課題) | ◎低い(約1/2に低減可能) |
| 把持力安定性 | ワーク端部で低下しやすい | ◎最遠方でも安定した把持力を確保 |
| 多様なワーク対応 | 把持面変更に手間 | ○異なる把持面幅で柔軟に対応 |
| 設置自由度 | グリッパサイズに制約 | ◎小型化により高い設置自由度 |
本技術導入により、従来のグリッパで発生していた精密部品の不良率が年間5%から1%に低減される場合、年間1,200万円の直接的な損失削減が見込まれます。さらに、グリッパの小型化によるライン設計の自由度向上は、新規設備投資を約10%削減(例: 1.5億円から1.35億円)し、年間1,500万円の初期投資削減効果を創出する可能性があります。これにより、合計で年間約2,700万円の経済効果が期待できます。
審査タイムライン
横軸: 省スペース性・軽量性
縦軸: 把持安定性・多様性