技術概要
本技術は、固体撮像素子の画素回路において、光電変換手段と浮遊拡散容量が接続するノードで発生する暗電流の課題を根本的に解決します。光電変換により生じるキャリア(電子または正孔)を、光電変換層と浮遊拡散容量で互いに逆の極性となるように設定し、両者から発生する暗電流がノードで合流する際に互いに相殺し合うメカニズムを確立。これにより、ノードにおける暗電流の合計値を極小化し、画素出力信号の本来の値からの誤差を軽減、極めて高精度な信号出力を実現する画期的な技術です。
メカニズム
本技術は、画素回路30において、基板1上にトランジスタ部を配置し、光電変換層5のキャリアと浮遊拡散容量13のキャリアを意図的に制御します。具体的には、光電変換層5の暗電流キャリアを正孔または電子の一方とし、浮遊拡散容量13の暗電流キャリアを他方とします。これにより、両者の暗電流が合流するノードで、互いに逆方向の電流が流れ、その合計値が個々の絶対値よりも小さくなるよう設定されます。これにより、出力信号の誤差要因となる暗電流を効果的に打ち消し、高精度な画素出力信号の取得を可能にします。
権利範囲
AI評価コメント
本特許は、残存期間が長く、出願から登録までの期間も効率的であり、拒絶理由を克服した強固な権利です。有力な代理人による緻密な請求項は、将来的な事業展開において競合優位性を確立する上で極めて有利な基盤を提供します。技術の独自性と市場性の高さが評価され、総合的にSランクと判断されます。
| 比較項目 | 従来技術 | 本技術 |
|---|---|---|
| 暗電流抑制性能 | 従来型CMOSセンサ: ∆(課題) | 本技術: ◎(画期的な相殺メカニズム) |
| 信号出力精度 | 従来型CMOSセンサ: △(暗電流の影響大) | 本技術: ◎(誤差極小化、高精度) |
| 低照度下性能 | CCDセンサ: ○(高感度だがノイズ課題) | 本技術: ◎(高感度と低ノイズを両立) |
| 製造プロセス親和性 | 特殊センサ: △(新規プロセス必要) | 本技術: ◎(既存CMOSプロセスに適合) |
| IPC分類 | H01L27/146, H04N5/361 | 本技術: H01L27/146, H04N5/361, H04N5/374 |
高精度な固体撮像素子を導入することで、製造ラインにおける画像検査の誤判定率を現状の5%から0.5%へ1/10に削減できると試算されます。年間生産額100億円の製品において、誤判定による不良品や再検査にかかるコストが5%発生していると仮定した場合、本技術導入により年間で約2億円(100億円 × 5% × (1 - 0.6) = 2億円)のコスト削減効果が期待できます。これは、生産効率向上と品質保証体制強化に直結します。
審査タイムライン
横軸: 信号精度・信頼性
縦軸: 環境適応性・堅牢性