技術概要
本技術は、環状の超音波振動子と液晶層を組み合わせた、革新的な超音波式液晶レンズとその制御方法です。従来、液晶レンズの課題であったレンズ径の拡大を、超音波振動子にN分割された電極を設け、周方向に位相をずらした電気信号を印加することで解決します。これにより、レンズの周方向に伝搬する超音波の進行波を生じさせ、液晶層の周辺部における液晶分子の配向を精密に変化させることが可能になります。この原理により、レンズ全体にわたる均一かつ高精度な光制御を実現し、光学システムの性能を飛躍的に向上させるポテンシャルを秘めています。
メカニズム
本技術の中核は、中央開口部を有する環状の超音波振動子と、その中央に配置された液晶層を含むレンズにあります。超音波振動子には周方向にN分割された電極(Nは3以上の整数)が設けられ、駆動部がこれらの電極に対して周方向に(360/N)°ずつ位相をずらした電気信号を印加します。この位相差により、レンズの周方向に超音波の進行波が発生し、液晶層の周辺部において液晶分子の配向が連続的に変化します。この進行波モードが液晶分子に与える影響を利用することで、レンズ径全体にわたる高精度な屈折率制御を可能にし、従来の液晶レンズが抱えていたレンズ径拡大の課題を克服します。
権利範囲
AI評価コメント
本特許は減点要素が一切なく、極めて優れたSランク評価を獲得しました。残存期間が長く、請求項数も適切で、有力な代理人が関与している上、先行技術文献をクリアしています。市場性、技術性、権利性、汎用性、コスト全ての面で高いポテンシャルを示し、導入企業に確実な競争優位性をもたらすでしょう。
| 比較項目 | 従来技術 | 本技術 |
|---|---|---|
| レンズ径の可変性 | 従来の電気光学式レンズ: 限定的 | ◎広範囲に可変 |
| 応答速度 | 機械式可変レンズ: 低速 | ◎ミリ秒オーダーの高速応答 |
| 構造の複雑さ | 多層レンズシステム: 複雑、大型 | ◎シンプル、小型化に寄与 |
| 消費電力 | 一部の電気光学式レンズ: やや高め | ○低消費電力 |
| 堅牢性・耐久性 | 機械式可変レンズ: 可動部摩耗リスク | ◎非接触制御で高耐久性 |
本技術の導入により、複雑な多層レンズや機械的な可動部品の削減が可能になります。例えば、年間50万個の光学モジュールを製造する企業が、部品点数削減(平均3点)と組立工数削減(20%)により、部品コスト100円/個、組立コスト200円/個の削減を実現した場合、年間(50万個 × 300円/個)= 1.5億円のコスト削減効果が見込まれます。さらに、不良率改善による機会損失低減も期待できます。
審査タイムライン
横軸: 高機能性・応答速度
縦軸: 小型化・コスト効率