技術概要
本技術は、動画像符号化における「イントラ予測」の性能を飛躍的に向上させるものです。従来のイントラ予測では、予測画像の生成に用いる参照画素の位置や予測モードによって、残差信号のエントロピー低減が非効率になる課題がありました。本技術は、この課題に対し、参照画素の位置とイントラ予測モードに応じて残差信号を反転させ、さらに最適な直交変換処理を選択的に適用することで、エントロピーを効率的に低減し、結果として符号化性能を大幅に向上させます。これにより、高画質を維持しつつ、データ量を圧縮することが可能となります。
メカニズム
本技術の符号化装置は、イントラ予測部がイントラ予測モードを用いて予測画像を生成し、残差信号生成部が原画像との差分を残差信号として出力します。特徴的なのは「反転部」と「直交変換部」です。予測画像の生成に用いる参照画素の位置(特に右側や下側)によって残差信号を水平・垂直方向に反転させ、その反転された残差信号に対して、イントラ予測モードと参照画素の位置に応じて予め規定された直交変換処理群の中から最適な処理を選択し適用します。この選択的かつ適応的な処理により、残差信号の持つ冗長性が最大限に除去され、符号化効率が向上します。
権利範囲
AI評価コメント
本特許は、残存期間14.9年と長く、日本放送協会による出願、有力な代理人の関与、複数回の拒絶理由を克服した審査経緯から、極めて強固で安定した権利基盤を持つSランク特許です。技術的独自性と権利範囲の緻密さが両立しており、長期的な事業戦略の中核を担うポテンシャルを秘めています。市場での優位性を確立するための確かな資産となるでしょう。
| 比較項目 | 従来技術 | 本技術 |
|---|---|---|
| 符号化効率 | 従来のH.264/AVC | ◎ |
| 予測精度 | H.265/HEVCの標準イントラ予測 | ◎ |
| 高画質維持 | VP9 | ○ |
| 演算負荷 | 一部の複雑な次世代コーデック | ○ |
動画配信サービスを提供する導入企業が、年間10PBのデータ転送を行うと仮定します。本技術によりデータ量が平均20%削減される場合、年間2PBのデータ転送量を削減できる可能性があります。1PBあたりのデータ伝送およびストレージコストを約7,500万円と試算すると、年間7,500万円 × 2PB = 1.5億円のコスト削減効果が見込まれます。これは設備投資の回収期間短縮に直結します。
審査タイムライン
横軸: データ圧縮効率
縦軸: 視覚品質維持能力