技術概要
本技術は、光音響効果を利用して細胞などの微細試料の機械物性を非接触、短時間、高空間分解能で計測する革新的な装置と方法、および既存の光学顕微鏡に後付け可能なユニットを提供します。パルス光源から励起光を試料に集光し振動を発生させ、その振動によって生じる光音響波を光干渉計で高精度に検出します。検出された微小振動データに基づき、機械物性値算出部が試料の硬さや粘性などの物理特性を定量的に解析します。これにより、医療診断、創薬研究、材料科学など多岐にわたる分野での応用が期待されます。
メカニズム
本技術の核となるのは、パルス光源から発生する励起光と、光干渉計による微小振動検出の組み合わせです。励起光が試料に吸収されると、熱弾性効果により光音響波が発生し、試料が微小に振動します。集光加振部はこの励起光を試料支持体の加振点に集光させ、走査部が加振点を面方向に移動させます。光干渉計は、レーザ光源からの計測光が試料支持面で反射された反射光と参照光との干渉パターンから、この微小振動を電気信号に変換します。機械物性値算出部は、この電気信号を解析し、計測点における機械物性値を算出します。この一連のプロセスにより、非接触での高精度な機械物性評価が可能となります。
権利範囲
AI評価コメント
本特許は、拒絶理由通知を乗り越え、有力な代理人のもとで特許査定を獲得した非常に強固な権利です。先行技術文献が3件と少なく、高い独自性を有しており、長期的な独占期間(2041年まで)を背景に、導入企業は安心して事業展開を進めることが可能です。大学発の先進技術として、医療・ライフサイエンス分野における新たなスタンダードを確立するポテンシャルを秘めています。
| 比較項目 | 従来技術 | 本技術 |
|---|---|---|
| 計測方式 | 接触型AFM、従来の超音波診断 | ◎非接触光音響計測 |
| 空間分解能 | ミクロンオーダー(超音波診断) | ◎サブミクロンオーダー |
| 計測時間 | 長時間(AFM)、標準的(超音波診断) | ◎短時間、リアルタイム性 |
| 試料への影響 | 損傷リスク、前処理必要 | ◎非損傷、前処理不要 |
| 導入コスト | 高額な専用装置が必要 | ◎既存顕微鏡に後付け可能 |
本技術を導入した場合、従来1サンプルあたり30分要していた機械物性計測が5分に短縮されると仮定します。これにより、年間2,000サンプルの検査を行う場合、人件費換算で年間約3,000万円のコスト削減効果が見込まれます(作業員1人あたりの年間人件費800万円 × 5人 × 削減率75% + 新規設備投資抑制による初期費用削減効果)。
審査タイムライン
横軸: 計測精度と分解能
縦軸: 導入容易性と汎用性