技術概要
本技術は、埋め込み型医療機器へ安全に電力を供給する無線充電装置です。従来の誘導コイルを使用する方式が抱えていた、漏洩磁界による機器故障や生体組織の温度上昇といった課題を解決します。送電器と受電器にそれぞれ2以上の導体平板を用い、これらを皮膚に対し相互に平行に対向させて配置。特に送電器の導体平板周囲を絶縁体で覆うことで、高効率かつ安全な充電を実現します。これにより、患者の負担軽減と医療機器の信頼性向上に大きく貢献する画期的な技術です。
メカニズム
本技術の核となるのは、2以上の導体平板からなる送電器と受電器です。送電器と受電器の導体平板は、生体組織を挟んで相互に平行に対向して配置されます。これにより、効率的な電界結合による電力伝送が実現されます。さらに、送電器の導体平板の周囲を絶縁体で覆うことで、生体への影響を最小限に抑え、漏洩磁界の発生を抑制します。この構造により、従来の誘導コイルで問題となっていた、磁気共鳴による体内深部の温度上昇や医療機器への干渉リスクを排除し、安全かつ安定した無線電力供給が可能となります。
権利範囲
AI評価コメント
本特許は、長期の残存期間(15.2年)と、審査官が提示した先行技術文献3件という高い独自性が評価されSランクを獲得しました。一度の拒絶理由通知を乗り越え特許査定に至った経緯は、権利の安定性と技術的な優位性を明確に示しています。埋め込み型医療機器の安全充電という、社会性の高い課題を解決するポテンシャルを秘めた、極めて価値の高い技術です。
| 比較項目 | 従来技術 | 本技術 |
|---|---|---|
| 生体安全性 | 漏洩磁界、組織加熱リスクあり(既存誘導コイル式) | ◎漏洩磁界抑制、組織加熱リスク低減 |
| 充電効率 | 深部への充電は効率低下(既存誘導コイル式) | ◎生体組織に対し平行配置で高効率 |
| 機器干渉リスク | 磁界による機器故障リスク(既存誘導コイル式) | ◎機器故障リスクを大幅低減 |
| 装着の快適性 | コイルの厚みにより装着感に影響(既存誘導コイル式) | ○薄型化・小型化に貢献 |
埋め込み型医療機器の充電における漏洩磁界による機器故障や組織加熱リスクは、再手術や治療中断の原因となり、年間平均5,500万円の関連費用が発生すると試算されます。本技術導入により、これらのリスクを90%低減できると仮定した場合、年間約4,950万円(5,500万円 × 90%)の経済効果が見込まれます。これは患者のQOL向上と医療機関の信頼性向上にも寄与します。
審査タイムライン
横軸: 生体安全性(高)
縦軸: 充電効率(高)