技術概要
本技術は、土が盛られた畦畔のような盛土部上を安定して走行するための小型走行装置です。最大の特徴は、本体左右に設けられた駆動輪の外側に配置された「走行誘導体」にあります。この誘導体は、車輪の車軸と同軸の回転軸を持ち、そこから放射状に複数の「当接部」が設けられています。この当接部が畦畔の法面に当接し、その角度を地形に合わせて変化させることで、車輪が畦畔に沿って安定的に走行するように誘導します。これにより、従来の走行装置が抱えていた転倒リスクや地形追従性の課題を解決し、精密な農作業の自動化を可能にします。
メカニズム
本走行装置は、本体、一対の車輪(駆動部)、および一対の走行誘導体で構成されます。車輪はモータからの動力で畦畔上面を走行し、走行誘導体は車輪の外側に配置されます。走行誘導体は、車輪の車軸と同軸の回転軸を有し、この回転軸から放射状に複数の当接部が設けられています。この当接部は、畦畔の法面に当接する際に、法面の傾斜や凹凸に応じて回転軸に対する角度を自動的に変化させます。この角度変化機構により、走行装置は常に法面に対して最適な姿勢を保ち、安定した接地を維持。これにより、急な傾斜や不均一な路面でも、車輪が畦畔から逸脱することなく、高い地形追従性と安定性を実現します。
権利範囲
AI評価コメント
本特許は、残存期間15.5年と長期にわたり、国立研究開発法人による出願、有力な代理人の関与、10項目の請求項、そして拒絶理由通知を克服して特許査定を得た、極めて強固なSランクの権利です。先行技術が多数存在する中で特許性を勝ち取った独自技術であり、導入企業は長期的な事業戦略の柱として、市場における圧倒的な優位性を確立できるポテンシャルを秘めています。
| 比較項目 | 従来技術 | 本技術 |
|---|---|---|
| 畦畔走行安定性 | 汎用農業ロボット: △ (平地向け) | ◎ (法面誘導体で高安定) |
| 地形追従性 | 大型農業機械: △ (小規模地不適) | ◎ (角度可変当接部で柔軟) |
| 省人化・自動化 | 人手作業: × (重労働・非効率) | ◎ (危険作業の自動化) |
| 導入コスト | 特殊大型ロボット: △ (高額) | ○ (小型・汎用部品活用) |
本技術を導入することで、畦畔の除草や薬剤散布などの作業において、人手による作業を自動化できる可能性があります。例えば、年間500時間の畦畔作業を時給3,000円の作業員が行う場合、年間150万円の人件費が発生します。本技術による自動化で作業時間を90%削減し、さらに作業精度向上による収量増10%(売上1億円の農場の場合1,000万円)を考慮すると、年間(150万円 × 0.9 + 1,000万円)= 約1,135万円のコスト削減・収益向上効果が期待できます。複数台導入や広範な活用により、年間約1,500万円以上の経済効果が見込まれます。
審査タイムライン
横軸: 地形追従性・安定性
縦軸: 運用コスト効率