技術概要
本技術は、空気中の二酸化炭素を効率的に分離・濃縮し、高純度のドライアイスを現地で製造する画期的なシステムです。従来のCCU技術が抱える高コストや有価物変換の課題に対し、ドライアイス製造という明確な高付加価値製品への転換を提示します。さらに、システム内で発生する排熱を回収してCO2分離濃縮装置の熱源として再利用し、CO2除去後の空気を空調給気に活用することで、エネルギー効率を飛躍的に向上させます。これにより、CO2回収・利用の経済性を大幅に改善し、導入企業の脱炭素化とコスト削減に貢献します。特に、物流インフラが未整備な地域でのドライアイス供給問題解決に大きく寄与するでしょう。
メカニズム
本システムは、湿式TSA二酸化炭素ガス分離濃縮装置を核とし、飽和蒸気発生装置、ガス冷却装置、ガス圧縮装置、除湿装置、ガス液化装置、冷凍機、ガス精製タンク、ドライアイス製造装置を連携させます。空気中のCO2はTSA装置で選択的に吸着・分離・濃縮され、その際に発生する排熱はヒートポンプを介して分離濃縮装置の熱源として再利用されます。濃縮されたCO2は、冷却・圧縮・除湿・液化を経て精製され、最終的にドライアイス製造装置で固体化されます。液化精製時の未液化ガスやドライアイス製造時の未凝華ガスも回収し、分離濃縮装置のパージに利用することで、CO2回収率と省エネ性を最大化するクローズドループシステムを構築しています。
権利範囲
AI評価コメント
本特許は、残存期間が16.1年と長く、長期間にわたり独占的な事業展開が可能な優位性を持つ。また、審査過程で拒絶理由を克服し、特許性を確立しているため、権利の安定性が非常に高いと評価できる。空気中のCO2を直接利用し、ドライアイス製造と空調給気を両立するシステムは、GX推進や分散型生産のニーズに合致しており、市場での高い競争力を発揮するポテンシャルを秘めている。
| 比較項目 | 従来技術 | 本技術 |
|---|---|---|
| CO2供給源 | 大型排出源直結型/外部CO2調達 | ◎(空気中CO2を直接利用) |
| エネルギー効率 | 排熱利用が限定的/CO2輸送に電力消費 | ◎(排熱再利用、空調給気でシステム全体を最適化) |
| 設置自由度 | 排出源に依存/物流網に依存 | ◎(空気源のため場所を選ばず設置可能) |
| 空調利用 | 不可 | ◎(CO2除去空気を空調給気に活用) |
離島や遠隔地でのドライアイス調達において、輸送費がドライアイス原価の約20%を占めると仮定。年間1,000トンのドライアイスを使用する企業の場合、輸送コストが年間約5,000万円発生すると試算されます。さらに、CO2ガス購入費用を年間約3,000万円と仮定した場合、本技術の導入により、これらのコストを合計で年間約8,000万円削減できる可能性があると推定されます。
審査タイムライン
横軸: 環境貢献度と経済性
縦軸: サプライチェーンレジリエンス