技術概要
本技術は、環状配置された複数の可動部材が隣接面を対向させて移動することで、把持空間を縮小し被把持物を把持する装置です。特に、隣り合う可動部材間に形成される第一・第二係合形状部が、相対移動方向に直交する方向への変位を規制することで、被把持物を把持空間の軸線方向に移動させる際にも、把持空間の拡縮に支障をきたすことなく、滑りを抑制して安定した把持を実現します。これにより、精密な作業やデリケートな対象物の取り扱いにおいて、高い信頼性と効率性を提供します。
メカニズム
本把持装置は、環状に配置された複数の可動部材が隣接面同士を対向させながら移動することで、中心に形成される把持空間を縮小し、被把持物を把持します。この際、隣接する可動部材間には、把持空間の壁面となる第一隣接面に形成された第一係合形状部と、壁面にはならない第二隣接面に形成された第二係合形状部が係合します。この係合は、可動部材の相対移動方向に対して直交する方向の変位を規制し、把持空間の拡縮を妨げずに、被把持物の滑りを効果的に抑制するメカニズムを有しています。これにより、軸線方向への移動を伴う作業でも精密な把持が可能です。
権利範囲
AI評価コメント
本特許は残存期間16年超と長期にわたり、激戦区である先行技術文献12件を乗り越え登録されたSランクの優良特許です。審査官の厳しい審査を通過した強固な権利は、導入企業に長期的な事業基盤と市場での優位性をもたらします。幅広い産業分野での応用可能性も高く、技術的価値と事業展開のポテンシャルを兼ね備えています。
| 比較項目 | 従来技術 | 本技術 |
|---|---|---|
| 把持安定性(滑り抑制) | △(摩擦に依存し滑りやすい) | ◎(係合構造で確実に抑制) |
| 対象物形状への対応力 | △(特定の形状に限定されやすい) | ◎(環状可動部材で柔軟に対応) |
| 精密作業への適用性 | △(微細なズレが生じやすい) | ◎(軸線方向移動時も高精度維持) |
| 導入柔軟性 | ○(専用設計が必要な場合が多い) | ◎(モジュールとして組み込みやすい) |
本技術の導入により、精密部品の不良品率が平均5%削減され、手作業による再加工コストや廃棄ロスが低減されると想定されます。また、把持の安定性向上により生産ラインの稼働率が10%向上し、年間生産量が約1.1倍に増加する可能性が見込まれます。例えば、年間売上5億円、不良品率10%の企業が導入した場合、不良品削減で250万円、生産性向上で2,250万円、合計で年間2,500万円の経済効果が期待できると試算されます。
審査タイムライン
横軸: 多様な対象物への対応力
縦軸: 把持安定性と精密性